生物の進化からみれば、
もつとも原始的な下等な生物キノコ菌(材木腐朽菌)と、
植物で最も進化したラン科植物が、地球の同じエリアで、同じ生態系の中で生きている。
植物学と菌茸学は同じ植物の研究のように一般には見られるが・・・
その起原は全く異なっているため、異業種の学問である。
そういうことで研究者の中では、キノコの研究者とランの研究者が同じテーマで研究することはほとんどない。
ラン菌がキノコ菌(材木腐朽菌)であるという研究も一部で行われて来たが、
(オニノヤガラがナラタケ菌と共生)、他のランでは材木腐朽菌が共生している研究がなかった。
宇井清太がSUGOI-neの開発で、SUGOI-neにランを播種し発芽するまでは、
ほとんどのランにおいて、材木腐朽菌が共生しているという研究はなかった。
ウチョウランのダンボール播種で、なぜダンボールをミックスすると発芽するのか、
その理由が科学的に証明できなかった。
ダンボールが広葉樹のパルプから製作される。
このパルプはリグニン、セルロースから出来ている。
ランと共生する材木腐朽菌が繁殖する。
ここにウチョウランの種子を撒けば・・・この材木腐朽菌(キノコ菌)と共生して・・・
ウチョウランが発芽する。
宇井清太のラン菌発見とSUGOI-neの開発で、
ダンボール播種の謎がが無造作に解明された。
ここまで書けば、ランの宝庫がキノコの宝庫である理由が理解出来るだろう。
こういうことが書かれた本が一冊もない。
だから、キノコの生えない水ゴケ、バーク、軽石・・・・などに植えてきた。
むしろ、キノコの生える用土はランでは使えないとまで敬遠されてきた!
ときたまバークにキノコでも生えたなら、ランを枯らすということで大騒ぎする。
前記の腐生ランのオニノヤガラは、ナラの木を枯らす・・・強烈な病害菌であるナラタケ菌と共生している。
ナラの木にとっては非常に悪い菌であるが、オニノヤガラにとっては・・・
せっせと・・・・貢いでくれる・・・・イイ男なのである。
ランとキノコ菌(材木腐朽菌)が生きる上での共通するものは何か?
枯れ葉。
植物の死骸。
これに含まれる炭素源としてのリグニン、セルロースである。
ランの自生地には必ず枯れ葉、植物死骸がある。
腐生ラン、地生ラン、着生ラン、岩生ラン・・・違いはない。
枯れ葉、植物死骸が多いか少ないかである。
それが全然ない場所では、自然界ではランは発芽もしなければ、プロトコームも生きられない。
つまり、ランも、元をただせば一個の種子から大きくなったということ。
この目線がないと、ラン栽培の根本があやふやにになる。
多くの・・・ほとんどの人が大株から・・・ギフトで貰った蘭から始める・・・???
そこら書かれた本も多くあるが・・・・自生地における種子発芽からかかれた本とというのは・・・
本当に少ないから・・・・問題が起こってくる。
屋久島の大王杉も7000年前は一個の種子であった。
そこに思いをはせ、自然の法則を勉強する姿勢があれば・・・
このラン菌による炭素循環栽培法が・・・理解出来る筈である。
SUGOI-ne栽培も大成功する。
自然界における枯れ葉、植物死骸。
自生地の植物にとっては・・・養分、エネルギーの地産地消・・・・再生と循環である。
その多くを地表に棲む好気性菌のキノコが行っている。
だから蘭の根は地表に横に張る!
蘭鉢が深鉢というのは・・・ラン菌が生きていない用土で用いるものである!
キノコの菌糸というのは養分があれば地表の何所までも伸長する。
そして養分を集めてくる!
この理由で・・・キノコの放射線が高くなる!
濃縮するからである。
この菌糸の機能をランは狡猾に利用した。
岩生ランが生存出来る理由である。
菌糸は、植物のように養分を吸収する根が、ある範囲に収まることはない。
充分な水分と温度と酸素があれば、菌糸は何所までも伸びてゆく・・・。
その結果として・・・菌の花として・・・キノコが出てくる!
つまり、キノコが沢山出る場所は、豊なリグニン、セルロースがあるという場所である。
こういう場所をランだって見逃す筈はない。
こういう場所を見つけるために、ランは胚乳を無くして、身軽にして空中に舞っているのである。
熱帯雨林に多くのランが生息するが、
同時に多くのキノコ(材木腐朽菌)も生息する。
材木腐朽菌は好気性菌である。
なぜなら、枯れ葉、植物死骸は地表に落ちたり、横たわるからである。
醗酵、腐敗する嫌気性菌ではない!
この理由で、ラン栽培には「嫌気性菌」で腐敗させた腐葉土を用いてはならない。
嫌気性菌が生きている液肥、醗酵油粕などは用いてはならない。
醗酵、腐敗する原料には多量の窒素が含んでいる。
この窒素が醗酵、腐敗過程で硝酸態窒素になる。
多量の腐葉土、醗酵油粕を与えるということは多量に硝酸態窒素を与えたのと同じになる!
これでは、化学肥料の硝酸態窒素を与えても同じ・・・という理論が、
リービッヒの無機化学農業理論である。
植物工場はこの理論で行われている。
この理論で・・・・屋久島の7000年の大王杉を育成できる????
この疑問に答えられい。
同じように・・・・
水ゴケでも一部のランは作れる!
しかし「腐生ラン」は作れない!
つまり水ゴケでは、ランの、植物の栽培理論を構築できないということ。
ランは逆境に強いから・・・どうにかつくれるということである。
このラン菌による炭素循環栽培法は、この問題に焦点を合わせたものである。
ご趣味で、人生のある期間ランに遊ぶ、ランを楽しむのであれば、
水ゴケだろうが、バークだろうが、軽石だろうが、杉皮だろうが・・・・なんでも良いかもしれない。
自分が楽しめばよいのであれば・・・・。
でも、視点を変えて・・・ランの立場からみれば・・・とんでもない身勝手なものであろう。
人間の愛好のためにランが地球に生まれてきたのではない・・・というかもしれない。
時には・・・ランの立場から見ることも必要かもしれない。
ランは・・・何もいわないから・・・・。
ランの宝庫はキノコの宝庫
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